国内の年間特許出願件数約30万件に対して実用新案登録出願は年間約5千件に留まり、実用新案登録制度は、その役目を終えたなどと言われることもあります。
その一因として、実用新案登録は、平成5年法改正で無審査登録制に移行したことにより、権利の不安定化や権利行使上の制約を招いたことなどが挙げられます。
一方、実用新案登録は、早期権利化が可能であり、費用も低廉(総額18万円~)であることから、有利な側面をもっています。
例えば、早期に権利化して安易な模倣の抑止・牽制はしたいが、実際に権利行使する可能性はそれほど高くない場合や、特許取得費用(総額46万円~)に見合う製品・サービスの売上や利益の見通しが立っていない場合など、低廉で簡便な実用新案登録を活用することが考えられます。
実用新案登録は、平成17年法改正によって存続期間が10年に延長され、実用新案登録請求の範囲の減縮訂正が可能に、また、特許出願への変更が可能になり、その有用性が高められています。
また、実用新案登録の保護対象は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案であり、コンピュータプログラム自体は、保護対象となっていませんが、スマートフォンのアプリやゲーム等についても、サーバ、ネットワーク、通信端末等から構成されたシステムとして実用新案登録が可能です。
スマートフォン、タブレット、PC等のアプリやゲームの新しい仕組みは、特許の取得によって財産として蓄積することが可能です。
ゲームの仕組み(課金システム、イベントの発生)、ハードの仕組み(コントローラ・タッチパネル、インターフェースの工夫)、CGの表現の工夫、アプリの新しい機能や処理等については、全て特許の対象になります。
時間と労力をかけて開発したアプリやゲームの仕組みは、特許を取得しておくことにより、製品化後も独自の資産として将来的にも活用することが可能になります。例えば、ゲームの「ボックスガチャ」は、多数の特許を取得して財産化されています。
製品として採用されなかったもの、今はまだ実装されていないアイデアも特許を取得することで財産となる可能性があります。
なお、実用新案登録の保護対象は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案であり、コンピュータプログラム自体は、保護対象となっていませんが、アプリやゲーム等については、サーバ、ネットワーク、通信端末等から構成されたシステムとして実用新案登録も可能です。
時間と労力をかけて開発した装置やシステムの新しい技術は、特許の取得によって財産として蓄積することが可能です。そして、製品化後も独自の資産として将来的にも活用することが可能になります。また、製品として採用されなかった技術、今はまだ実装されていないアイデアも特許を取得することで財産となる可能性があります。
特許の効果としては、市場の独占、模倣品・類似品の排除の他にも、信用力の獲得、技術力のアピール、資金調達の容易化、宣伝、広告等が期待されています。一方、他人の特許権を侵害すれば、事業存続は困難になります。そこで、目的に応じた特許戦略が重要です。
しかし、創業期には、ビジネスの立ち上げが主眼となり、特許にかけるリソースが不足がちです。また、特許(知財)部門や専任の知財担当者を擁しない多くの企業様にとって、発明発掘や先行技術調査、拒絶理由通知の検討等を継続的に行うことは、技術・開発ご担当者様の大きな負担になることも少なくありません。